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『銀河英雄伝説 Die Neue These』のスタッフインタビュー企画第4回。シリーズ構成を担当する高木登さんに話を伺いました。
たまたまKindle版の『銀河英雄伝説』が出ているのを見つけたので、「懐かしいな」と思いながら読んでいたんです。そうしたら、Production I.Gの黒木(類)プロデューサーから「『銀河英雄伝説』には興味ありますか?」というメールが来て。「今、読み返してます」と(笑)。
驚きました。そのときに『銀河英雄伝説』を新たにアニメ化するとうかがい、「シリーズ構成をやりませんか?」というお話を頂いたという経緯です。
20代の頃、読みました。非常に面白かったです。この年になって読み返してみても、やはり面白い作品だなと思いました。最初は、キャラクターの魅力で読んでいたんですけど、今はまたちがった発見があります。いくつになっても再読に耐える作品だと思います。
実は、アニメに関してはちゃんと観たことが無かったんです。今回参加することが決まった後、Blu-rayBOXを買って観ました。本当に良くできています。「この小説をアニメ化するなら、それはまあこうするよね」という内容になっているんですよね。特に、首藤(剛志)さん(劇場版『銀河英雄伝説 わが征くは星の大海』と、OVA第1期の第1話~第3話の脚本を担当)が書いた脚本は、素晴らしかったです。それを観てしまったので、「さてどうしよう……」と。けっきょく虚心坦懐(先入観の無い状態のこと)に、原作をアニメ化することを考えて作業を進めました。だから、書いてる間は、なるべく石黒監督版を観ないようにしていました。
最初に話したのは、(TVシリーズでは)原作のどこまでをやりましょう、といったことくらいで。あまり細かな話はしてなかった気がします。
大変……原作の内容が非常にしっかりしているので、特に大変では無いんです。どうやって原作に負けないものを作るかということは考えますけどね。田中先生の文章が素晴らしいので、台詞も地の文も可能な限り残したいと思いました。泣く泣く削った部分はありますが、逆に広げた部分もあります。各話の脚本担当として入って下さっている他の(シナリオ)ライターさんも、しっかりした本を書いて下さる方ばかりなので、面白い内容になっていると思います。
具体的なことを話すとネタバレになっちゃうんですよね(笑)。でも、一人一人のキャラクターのドラマを見せていきたい。俯瞰的に見るのではなく、キャラクターに寄っていきたいということは、最初から仰っていました。
平均的なアニメだったらだいたい1本に収まるはずの枚数なのに、(コンテにすると)入らないということがよくありました。
たくさんいるんですけど……。例えば、(ワルター・フォン・)シェーンコップとか好きですね。あとは、(パウル・フォン・)オーベルシュタインもとても魅力的だと思います。
すごく豪華ですよね。ラインハルトが宮野さんというのを聞いた時には、「なるほど、この手があったか」と思いました。きっと、相当、面白いと思います。以前、別の作品でご一緒したことがあるんですけれど、本当に独特なお芝居をされる方。ラインハルトのあの台詞をどういう風に読むのだろうって、すごく楽しみにしています。
まだ行っていません。映像も公開されているPVしか観たことがないんですが、これはすごい作品になりそうだという予感をすごく感じるので、非常に楽しみです。早く本編を観たいですね。
4月からのファーストシーズン、来年イベント上映が行われるセカンドシーズンの後も続いていって、ライフワークになれば良いなと思っています。『銀河英雄伝説』という作品に自分が関わることになったのはすごく驚きで。同業者で「『銀英伝』を再びアニメ化するなら、自分がやりたい!」と思った人は、たくさんいらっしゃるはずなんですよ。そういう方たちの期待も裏切らないようにしたいです。僕自身、ずっと大好きだった小説がアニメになった時に参加できず、悔しい思いをしたことがあったので。
これは、原作のある作品に関しては常にそうなのですが、とにかく原作の面白さを減らさないことを第一に考えています。今回もそのつもりです。原作を愛する方々とその愛情を共有できるような作品になれば良いと思っています。どうかご期待ください。
[取材・文=丸本大輔]