銀河英雄伝説 Die Neue These
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2022/12/23

12月13日(火)、新宿ピカデリーで『銀河英雄伝説Die Neue These 策謀』第三章のスタッフトーク付き上映会が開催されました。『策謀』のスタッフトーク最終回となる今回は、原作者の田中芳樹先生と、田中先生の所属事務所「らいとすたっふ」社長で、『銀河英雄伝説Die Neue These』の監修も務める安達裕章さんが登壇。田中先生が原作の『銀河英雄伝説』を執筆された当時の様々なエピソードなどが披露されました。『銀英伝』ファン必見の内容だったイベントの模様をレポートします。

↓以下、本編のネタバレを含みます。
















まず、MCを務める松竹の田坂秀将プロデューサーが登場し、イベントに関する注意事項の説明に続き、田中先生と安達さんを紹介。大きな拍手の中、二人が登場しました。客席への感謝の思いがこもった挨拶の後、まずは、田坂プロデューサーから、安達さんの具体的な仕事内容に関する質問がありました。

安達「芳樹さんが小説を書きます。便宜上、それを『一次版権』と呼びますが、そこから波及した作品、例えば、この『ノイエ銀英伝』やコミック、舞台などは『二次以降版権』と呼ばれてます。本来ならば、その『二次以降版権』のすべてを作家自らがチェックできれば良いのですが、これだけ物が多くなると、一人ではチェックができない。また、いろいろな会社さんとの調整も一人でやると作品を書く時間がなくなってくる。そういうことがありますので、そこの部分はすべて私の方に任されていて。『こんな感じで良い?』『こういう人からこんな話があるのだけど、どうしたら良い?』といった話を田中さんにして、どうしたら良いかも聞いた上で、それに沿って進めていくのが私の仕事になっています」

続いて、田坂プロデューサーから、前シーズンの『激突』第三章の上映時に開催された田中先生と安達さんのスタッフトークの内容の簡単な振り返りが語られました。1982年11月から新書の書き下ろしという形で発表されていった『銀英伝』。田中先生が2巻を発売した時点では全3巻の予定でしたが、好評により全10巻に変更。担当編集者から、その話を聞いたとき田中先生は、「もし全10巻なら、キルヒアイスの死はもっと先でも良かったのに」と思ったそうです。そのお話を踏まえた上での田中先生への最初の質問は、全3巻構成から全10巻構成に変わってから意識したことでした。


田中「ここまで読んでくださった読者の方たちに対して恥ずかしくないようにしなければいけないなと思い、3巻で終わるはずだったというのは微塵も見せないようにして。何食わぬ顔で、『最初から全10巻まで考えてましたよ』みたいな書き方を心がけました。書くべきことは(最初から)たくさんあって。その中から一部を抜粋して書いていましたので、10巻まで延びても書くことがなくて困るということはありませんでした」

2巻の刊行時点では大学院に在籍中で、3巻以降、専業作家となった田中先生。当時の心境やエピソードに関するお話の中では、作品を次々に書き続けているうちに専業作家となったため、「私の場合、『作家になる決意をしたのは、いつ頃ですか?』といった問いにはまったく答えられません」という話が印象的でした。若い作家希望の人には、いつも「作家というのはなるものではなく、なってしまうものだから」という話をしているそうです。続いて、『策謀』で特に印象深いキャラクターのルパート・ケッセルリンクとアドリアン・ルビンスキー親子の描き方に関する質問では、複雑な関係の親子が生まれた経緯が語られました。

田中「3巻で終わるのであれば、ルビンスキーにルパートという息子は作りませんでした。(10巻になって)ルパートを作ったとき、この二人は必ず衝突させてやろうと思っていました。美濃の斎藤道三親子みたいなものです」

戦国武将の斎藤道三と息子の斎藤義龍のように親子で対立することは、息子が生まれたときから決まっていたようです。さらに、田坂プロデューサーからの質問に答える形で、『策謀』第三章の大きな見せ場でもあるオスカー・フォン・ロイエンタールとワルター・フォン・シェーンコップの白兵戦が描れた理由も明らかに。

田中「話の流れの中で(二人が)ごく近くにいることになったので、それだったらすれ違わせるよりも、個人的なレベルではありますが一戦(ひといくさ)やらせた方が書いている方も楽しいなと思いました。とはいえ、どちらかを一方的に勝たせると(ファンから)カミソリ入りの手紙が来ないとも限らず(笑)。あと5分やったらシェーンコップが勝ってたかなというところでペンを抑えました。歌舞伎でも宝塚でも、美男同士や美女同士の対決は人気がありますし。きっと、お客さんにも喜んでもらえるだろうという計算も多少はありました(笑)」

安達「本人は今、すごく客観的に言ってましたけど、おそらくですが、書いていて楽しかったと思います。僕は、芳樹さんは憑依体質だと思っていて。ヤンを書くときはヤンの気持ちになって書いているし、ラインハルトを書くときはラインハルトの気持ちになって書いている。だから、そのシーンもロイエンタールやシェーンコップの気持ちになって、わくわくして書いていたと思います」

トークの後半は、『策謀』で初登場したキャラクターや特に印象的な活躍をしたキャラクターについての質問が続きます。まずは、幼帝誘拐の実行犯であるアルフレット・フォン・ランズベルクについて、ラインハルトと門閥貴族の戦いで登場したときから、後に皇帝を誘拐することも視野にあったのかという質問がありました。


田中「ランズベルク伯に関しては、『ああ、そういうやつもいたっけな』という感じだったというのが実は正直な話です。たぶん、一回、出しただけでは惜しいから、生かしておいて何かの役に立てようという邪悪な気分が出てきたのだと思います(笑)」

宇宙を揺るがすような大事件を起こすランズベルク伯の活躍も、「3巻のはずが10巻になったことの副産物」とのことでした。また、『策謀』第三章で初登場して銀河帝国の内国安全保障局局長に就任したハイドリッヒ・ラングに関しては、「ああいうキャラクターが一人いると、作家としては大変ありがたいんです」と語っていました。有名なネットミームにもなっており、『銀英伝』を知らない人にも知られているラングについての印象を聞かれた安達さんは、「あれだけの共感を持ってもらえるキャラクターということは、たぶん、皆さんの身近にも『あいつラングみたいだ』って思うような人がいるんだと思います(笑)」と答え、会場から笑い声が聞こえて来ます。
そして、トリューニヒトに関する質問の中では、『銀英伝』のキャラクターの名前がどのようにして決まったのかが語られました。

田中「登場人物の名前を決めるときには、図書館へ行って(世界の出来事を記した)国際年鑑などを開くんです。すると、その年に重要な仕事をした人たちや大臣の名前とかが載っておりますので、それを片っ端からメモして、いろいろと組み合わせながら使っています。トリューニヒトというのは、人種差別がものすごく酷かった頃の南アフリカの政治家の名前です」

ちなみに、猪突猛進タイプの印象が強いフリッツ・ヨーゼフ・ビッテンフェルトの「ビッテンフェルト」という名前のモデルは、「1955年頃の西ドイツの文部大臣」とのこと。

田中「本当はきっと立派でおだやかな教養あふれる紳士だったのだろうと思いつつ、作品の中ではあんな風に書いてしまいました(笑)」

あっという間に時間は過ぎ、スタッフトークも終了の時間。最後の挨拶では、田中先生と安達さんから『ノイエ銀英伝』の今後に向けての希望も語られました。

安達「一番の特等席で田中さんの話を聞けて、今日は楽しい夜になりました。この『策謀』第三章で(『ノイエ銀英伝』も)一旦は一区切りという話は聞いておりますけれど、また同じような形でこの人の横で皆さんの前に立ちたいと思っておりますので、今後も『ノイエ銀英伝』の応援をよろしくお願いいたします。本日は本当にありがとうございました」


田中「こんなに寒い中、足を運んでいただけて、本当に感激しています。作家というのは学校の先生みたいなもので。どんなに優秀な生徒でも、何十年前に卒業した生徒より、今、目の前で教えている悪ガキどもの方が大切なんです。でも、30年もの、40年もの間、古い卒業生をこんなにも応援していただけることが、自分でも信じられません。作家になって良かったと思うのは、有名人と対談するときくらいで。漫画家の萩尾望都先生と対談することになったときには、2日くらい仕事が手に付きませんでした(笑)。でも、こうやって皆さんに長く応援し続けていただけていることは、本当に作家冥利に尽きます。原作の方はとっくに終わって、卒業していますが、他のジャンルではまだ留年しているようなので、今後も何卒、応援していただけたら幸いです。本当に皆さんありがとうございました」

大きな拍手が鳴り響く中、田中先生と安達さんが退場。こうして、『銀河英雄伝説Die Neue These 策謀』第三章、最後のスタッフトークが終了しました。

2022/12/15

『銀河英雄伝説Die Neue These 策謀』第三章の上映開始から2週間が経った12月11日(日)。新宿ピカデリーで、ラインハルト・フォン・ローエングラム役の宮野真守さんと、多田俊介監督による舞台挨拶が2回、開催されました。ここでは、本編の上映後に実施され、ネタバレトークも満載で盛り上がった1回目の舞台挨拶の模様をレポートします。

↓以下、本編のネタバレを含みます。
















大きな拍手に迎えられて多田監督と宮野さんが登場。ファンへの挨拶を終えた後のトークパートは、MCの質問に答えていく形で行われました。最初の質問は、フォースシーズン『策謀』の最後を飾る第三章を観ての感想。『銀河英雄伝説Die Neue These』は、2018年に放送されたファーストシーズン『邂逅』からの4年間で、48話まで制作されてきたことになります。

宮野「この第3章は、『銀英伝』の世界の中で歴史の変わる瞬間に沸き立つ人々の熱量をすごく感じるお話。この4年でその地盤をみんなが作ってきて、ついに歴史が変わる。その瞬間にすごくワクワクする思いはありました。この作品は本当にリアリティがあって、現実の問題も密接に絡んでくる内容に考えさせられることも多いんです。でも、そういうことを抜きにしても、エンターテインメントの映像作品として非常にワクワクするものを、この4年間で作りあげてこられたんだなと感慨深いものがありました」

多田「この第三章に関しては、きっちりとラインハルトで締める形にしたいなと思って、絵作りも行いました。最後の(兵士達に)「ジークカイザー」と呼ばれるところや、その後の歩いているシーンがそうです。あそこは、フェザーンの航路局にある(コンピュータールームの)立体航路図の中を歩いているのですが、歩かせるために部屋をやたらと巨大に設定しました(笑)。そういった形で、ラインハルトが一つ階段を上った場面として第三章を作り終えられたのは、僕も非常に満足しています」


場面写真:48話 立体航路図の中を歩くラインハルト

ラインハルトに向けて、兵士たちが「ジーク・カイザー」と叫ぶシーンは、『銀英伝』の長い物語の中でも代表的な名シーンの一つ。「第三章の中の印象的なシーンやエピソードは?」という質問の中でも話題に挙がりました。

多田「ラインハルトが『ジーク・カイザー』と叫んでいる兵士達に対して、まんざらでもない感じで手を上げるんですよ。もうその気なんだなって感じで」

宮野「あそこの表情も良いんですよね。もう前向きな気持ちではあるんですよ。あのときにラインハルトは、『気の早いことだ』って言うじゃないですか。でも僕は、現場で早速、(事務所の後輩でナイトハルト・ミュラー役の)上村(祐翔)君に『これからはカイザーって呼べよ』って言っていました(笑)」

多田「あはは(笑)。本当は、あのシーンでは僕も「ジーク・カイザー」って言ってる(兵士の)声の中に混ぜてもらう予定だったんです。でも、例の流行病(新型コロナウイルス感染症)のせいで、録音ブースに大勢は入れず。泣く泣く諦めて心の中で言っていました(笑)」

 

 

 


場面写真:48話 ジーク・カイザー!ラインハルト!

その後も、音響監督の三間雅文さんから「ラインハルトとヒルダが仲良くなり過ぎ」というディレクションがあったことや、多田監督は、ラインハルトは最初から完成した人物として描くのではなく、「青二才」な感じから成長していくところを描きたいと考えていた事など、さまざまな話題でトークは盛り上がります。そして、最後の質問は、「今後の『銀河英雄伝説Die Neue These』に期待することは?」でした。

宮野「改めてアフレコって面白いなと思う機会がたくさんあって。例えば、(第46話で)『作戦名は神々の黄昏(ラグナロック)』と発表するシーンはすごく印象に残っているんです。自分では強い思いを持っていても、それだけではだめで。リテイクを重ねました。実際に(セリフとして)出た音にどれだけ説得力があるかが大切なんだと改めて感じる体験で非常に面白かったです。この第三章で(ラインハルトの)青二才期も終わったので、ここから先のカイザーとしての彼の姿も観ていきたいなと、すごく思いました」

 

 

 

 

 

 

 

多田「僕としては、この後の『カイザー』ラインハルトもしっかりと描いていきたいです。スタッフにも『ラインハルトをラインハルトたらしめるために、ここまでもちゃんと順序を作ってやっていて。この先も、ここはこうで、衣装はこうで』みたいな話をしているんです。いわゆるテンプレートのヒーローじゃない形で進んで行くつもりなので、そこをぜひ宮野さんに演じていただきたい。それを願っています」

 

 

最後の挨拶でも、多田監督と宮野さんは、『銀河英雄伝説Die Neue These』に対する熱い思いと、今後も応援して欲しいという願いを語り、客席のファンからは大きな拍手が返ってきます。その拍手に送られて、宮野さんと多田監督は退場。『銀河英雄伝説Die Neue These 策謀』第三章の舞台挨拶は終了しました。

2022/12/13

12月6日(火)に東京の新宿ピカデリーにて、『銀河英雄伝説 Die Neue These 策謀』第三章のスタッフトーク付き上映会を開催いたしました。
モーショングラフィックを担当されている青木隆さんと、策謀では2回目の登場となるCGIプロデューサーの田中宏侍さんが登壇した、スタッフトークのレポートをご紹介します。

郡司Pに呼び込まれ、青木さんと田中さんが登壇し挨拶を終えると、“モーショングラフィック”をテーマにトークが繰り広げられました。

↓以下、本編のネタバレを含みます。
















“モーショングラフィック”はノイエ銀英伝においては、戦況図や、ヘッドアップディスプレイ、戦艦内のオペレーター席のモニターのなどに使用されている映像技術です。
田中「ノイエ銀英伝で艦隊戦を表現する上で3DCGだけではお互いの陣営の戦況を分かりやすく表現するのは難しく、演出する上でもモニターグラフィックスの重要度が高かったのですが、青木さんであればその諸々を高いレベルで作成頂けるので、今回青木さんにお願いが出来たので表現の成功率をグンっと上げる事が出来ました。」

最初に、第一話に登場した艦橋ホログラフの説明から始まりました。青木さんにメインに制作していただいたのが、艦内で帝国軍と同盟軍の戦況を表示する艦橋ホログラフだそうです。


動画:艦橋ホログラフ


画像:帝国軍 艦橋ホログラフ 初期デザイン

青木「艦橋が少し薄暗くて、戦況図が光源となるようなショットを想像して作成しました。劇中で見ている人に戦闘状況を伝えるインフォメーションの役割を担うだけではなく、キャラクターにカメラを向けた時に、画面の後ろに見えていても、背景美術物としてきれいに成立するようなバランスを目指しました」
田中「青木さんは元々アニメの撮影も担当されていることもあって、画面から逆算したモニターグラフィックを作成できる稀有な方なんです。なので、モーショングラフィック単体ではなく完成画面全体の見栄えも考えて作成してくださっています」

画像:同盟軍 艦橋ホログラフ 初期デザイン

青木「引きで見た時のシルエットの差を、帝国軍と同盟軍では徹底的につけたいと思って作成しました。帝国軍は、スフィアホログラフィックを参考に球体にしました。日常で使う端末に関しても球体にしています。反対に、同盟軍は四角っぽいデザインから組み立てました。
また、アイコンの色は敵軍を赤に設定するのが一般的ですが、どちらの軍から見ても帝国軍は赤、同盟軍は青で統一しました。帝国軍と同盟軍の戦況図が切り替わった時に、お客さんがこんがらがらないように配慮しています」
田中「帝国軍も同盟軍も使用しているホログラフは違いますが、同じ人類同士で戦っている話なので、異星人が作ったような全く別の星の技術にはならないように気をつけていただいています。」
そして、操作パネルの話題に展開されていきました。


画像:ガイエスブルク要塞の操作モードを切り替えているパネル 完成画面・パネルのレイアウト案

青木「このシーンには、どういうパネルがあったら伝わりやすいかを考えて、第37話の演出担当の小笠原さんに提案しました。ここはケンプがガイエスブルクの制御室のトップビューで、操作権限を艦長席に移行する作業をしているところです。オペレーター席をバツ印にしていって、最後に艦長席がオンになる設定でケンプがこれから一人で操縦することを表現していきました」
田中「あくまで主役はキャラクターなので、主張し過ぎないようにバランスを考えていただいています。“俺のモニターグラフィックスを見てくれ!”という感じではなく、最終的な画面の見え方を逆算してくださるので、安心して作業を任せられます」
青木「作り込んでぼかして背景物としてきれいになっていればいいや、と思っている部分もあるんです。メインを引き立たせるライティングのワンパーツとして、構成要素になってもいいと思って作っています」

続いて、戦艦内のオペレーター席のモニターの設定の話に移りました。


画像:帝国軍 艦橋 オペレーター席

画像:同盟軍 艦橋 オペレーター席

青木「ノイエ銀英伝ではオペレーターを映すことは多くないのですが、一つひとつのモニターの役割を決めて、こういう機能が備わっているということを僕のほうで決めて作りました。大型戦艦を操縦する際に、こういう機能があったらいいんじゃないですかという提案を行いました。新しいコンテを描く時にもこういった指針があれば、オペレーターとモニターの生合成が合うように調整もしやすいのではないかと思いました」
郡司P「アニメーションって物凄い数の設計図があるわけではなくて、いろんな人のアイディアがどんどん取り入れられていって完成していく場合が多いんですよね」
田中「そうですね。作品ごとや集まるスタッフによって、それぞれ作り方が変わっていきます。これは日本のアニメーションの特徴かもしれませんね」

他にも様々紹介していただきましたが、あっという間に時間は過ぎて、締めの挨拶のお時間となりました。
田中「こういう機会を設けていただいて皆様のお顔を見ながら、携わったスタッフの苦労話とかできることはすごく有難いです。まだ続きを作っていきたいなと思っておりますので、引き続き応援していただけたら嬉しいです。本日はどうもありがとうございました」
青木「ちょうど第三章は、去年の年末あたりに作成していました。かなり作業が大変だったこともあって、年を越した時にモニターグラフィックを何枚くらい作成したのか数えてみたんです。そうしたら、自分で手を下したカットが1212カットありました。今まで携わった作品の中でも一番多くなっているので、この記録を更新し続けられるように、できる限り最後までついていきたいと思っています。どうか宜しくお願い致します」
この日一番の拍手に包まれながら、お二人は降壇されました。

郡司P「さまざまな方に色々な話を伺うスタッフトークとして少しは作業の工程みたいなものをご理解いただけたと思います。作品はいろんな方の力が集結してできております。エンドロールを見るたびに、その人たちのことを思い浮かべていただけると大変嬉しく思います。本日はありがとうございました」
この日で策謀のスタッフトークのMCを務めるのが最後となる郡司Pからもご挨拶された後、イベントは終了いたしました。


登壇者:青木隆さん(モーショングラフィック)、田中宏侍さん(CGIプロデューサー)

2022/12/08


11月25日(金)から全国 47 都道府県の劇場で3週間限定上映がスタートしている『銀河英雄伝説Die Neue These 策謀』第三章。
上映初日の夜には新宿ピカデリーで初日舞台挨拶が開催。本編の上映後に登壇した多田俊介監督と磯部真彩プロデューサー(Production I.G)が、細部までこだわり抜いた制作陣の想いが伝わる注目シーンの数々を紹介しました。
本編を見終えたばかりの観客の大きな拍手が響く中、多田監督と磯部プロデューサーが登場。ついに『策謀』の最終章である第三章の上映初日を迎えた感想を語った後、本編映像のスライドをスクリーンに映しながら、制作陣だからこその視点から選んだ『策謀』第三章(第 45 話~第 48 話)の見どころを語っていきます。

↓以下、本編のネタバレを含みます。

















多田監督が最初に挙げたのは、第45話で、元内務省社会秩序維持局⾧のラングがオーベルシュタインの執務室を訪れて、自分を売り込むシーン。
ここでの注目ポイントは、演出や作画ではなくラングの語るセリフの内容です。


場面写真:45話 ラングの売り込み

多田「『銀英伝』はお話が面白いだけの作品ではなくて、僕らは『銀英伝』を通して、田中芳樹先生からいろいろなことを勉強させてもらってきました。このシーンではラングが、多数派工作は4分の1を握るだけでできるという多数決の恐ろしい真実を語っている。そこを聴き逃さないように観ていただけたら、田中先生の作品ならではの魅力がより伝わると思い選びました」
MC の「この知識は会社の会議などでも活用したいです」という言葉に、会場からは大きな拍手が響きます。
また、ラングのキャラクターデザインを担当したのは、多田監督が20代の頃から一緒に作品作りをしてきたアニメーターの寺岡巌さんであることも紹介されました。ちなみに寺岡さんは、ラングの他にも『激突』に登場した拷問係など個性的な脇役のデザインを担当しています。

第46話の見どころとして、磯部プロデューサーが最初に挙げたのは、ラインハルトが諸将の前で作戦名「神々の黄昏(ラグナロック)」を発表するシーン。
実は、このシーンを選んだのは、キャラクターデザインと総作画監督を務める菊地洋子さん。

 

場面写真:46話 神々の黄昏(ラグナロック)

磯部「菊地さんに見どころを伺ったら、『私が描いたところではないけど、観たときに鳥肌が立ちました』と仰っていたシーンです。本当にカッコいいシーンなので、何度も観て欲しいです」
また、磯部プロデューサー自身の第46話の注目ポイントとしては、ベッドで寝転んでいるユリアンの作画。この話数のユリアンの作画はどれも美しいのですが、このシーンは、「線画の時点から、特に素敵だった」そうです。

 
場面写真:46話 ユリアン

第47話の見どころとして多田監督が挙げたのは、ずらりと並んだラインハルト陣営の諸将が順番にアップで映されていくシーン。トゥルナイゼンなど初登場のキャラクターも描かれているシーンを動画で見ながら、本作における3人のキャラクターデザイナーについて語ってくれました。

動画:47 話 ラインハルト陣営の諸将たち

多田「その人のやりたいこと、希望や個性に合わせて割り振っていますが、だいたい40歳以上のキャラクターは寺岡巌が担当して、メイン級のキャラクターに関しては、総作画監督の菊地洋子さん。20代くらいの個性派は、津島桂さんが担当していることが多いです。今回だと、トゥルナイゼンを津島さんが担当しています。寺岡もそうですが、個性の持たせ方がとても上手で、僕もお気に入りです」

多田監督が最後に挙げたのは、銀河帝国に占領された後のフェザーンで、ヒゲを生やした男性がタバコを吸っている第48話のシーン。名も無きモブキャラで「誰だろう?」と思った人も多いと思いますが、実はこの男性は『激突』の第30話でドミニクが歌を歌っていた酒場のバーテンダー。一庶民が仕事前に朝の一服をしている姿を描くことで、銀河帝国に占領されても生活は変わらないフェザーン的な生活感を象徴して見せる狙いがあったそうです。


場面写真:48話 バーテンダー


場面写真:30話 バーテンダー

磯部さんの第48話の注目ポイントは、空中に浮かび上がったハイネセンまでの立体航路図の中をラインハルトが歩いて行くシーン。ここも菊地洋子さんに聞いた注目シーンとのことで、動画とともに紹介されました。


場面写真:48話 ラインハルト

磯部「ここは菊地さんがこだわりを持って描かれたシーンで、『特にラインハルトの髪のゆらぎを見て欲しい。本当に繊細に描きました』と仰っていました」

多田監督の解説によると、右を向いたり左を向いたりしながら歩いていることで、髪やマントの揺らぎを単純なパターンで描くことができないため、非常に難しく手間のかかるシーンになったそうです。

トークコーナーの後は、今後も行われる舞台挨拶やスタッフトークなどの告知を紹介。
最後には、磯部プロデューサーと多田監督から、感謝の気持ちと今後のノイエ銀英伝に対する思いが語られました。
磯部「スタッフ一同、また皆さんにお目にかかれる日が来るように全力で祈っておりますので、引き続き『銀河英雄伝説 Die Neue These』をよろしくお願いいたします」


多田「今回で、テレビフォーマットでいう 48 話まで来ました。4 クール 1 年分にもなるのですが、原作ファンの方は、まだ道半ばにも来てないことをご存じだと思います(笑)。この先も作っていきたいと思っておりますので、応援よろしくお願いいたします。あと、作画チームの一番の親方、総作画監督の後藤隆幸さんが最近、『もう年だから定年したい』とか言い始めているので止めています。皆さんも機会があれば、ぜひ全力で優しく止めてください(笑)」

会場からは、今後の展開への期待がこもった大きな拍手が響き、『銀河英雄伝説 Die Neue These 策謀』第三章の初日舞台挨拶は終了しました。

2022/12/07

11月29日(火)に東京の新宿ピカデリーにて、『銀河英雄伝説 Die Neue These 策謀』第三章のスタッフトーク付き上映会を開催いたしました。
助監督の森山悠二郎さんと、演出助手兼演出を担当されている小笠原一馬さんが登壇した、スタッフトークのレポートをご紹介します。

郡司Pに呼び込まれ、森山さんと小笠原さんが登壇し挨拶を終えると、“助監督・演出助手”をテーマにトークが繰り広げられました。

↓以下、本編のネタバレを含みます。










最初に、“助監督”のお仕事について、森山さんにご説明いただきました。
アニメーション制作の現場に必ずある職務ではないそうで、助監督といっても定められた職務範囲はなく、一言では説明しきれないほどだそうです。作品や担当者ごとに行う職務は異なるとのこと。森山さんはノイエ銀英伝では、絵コンテ、演出、脚本やキャラクターデザイン、作画、各種設定デザインなど“なんでも屋”として様々な職務を担当されているそうです。

設定資料がないカットは、森山さんがデザインする場合もあるそうです。8話に登場する、帝国領の首都市街地カストロプがその1つです。



画像:【カストロプ・首都市街】絵コンテ、レイアウト

森山「カストロプは帝国領ではありますが、首都オーディンとは距離的にだいぶ離れていますので、幾らかの文化の違いを感じられるように建造物のデザインをしました」
郡司P「新しい設定を作る際には、全て森山さんの想像だけで描かれるんですか?」
森山「参考として色々な資料を調べた上で、それらを想像で一つに繋げていく感じです。僕はざっと鉛筆で書くだけですが、美術さんはこのレイアウトを下敷きに、絵の具調で描かれたアニメの背景の形に仕上げなくてはなりません。あのシーンの画面をあの密度で仕上げて皆さんにお観せ出来たのは、美術さんの技量あってこそです。タイトなスケジュールの中、だいぶ美術さんにご負担を強いてしまったとは思います…、はい。
そして、話題は森山さんが、絵コンテと演出を担当された11話の話題に移りました。ナレーションを担当してくださっている下山さんや、個人的に森山さんも気に入っているという、この一連の流れの終着点として“同盟の若い兵士が、路地裏で帝国の幼子に銃を突きつけられるシーン”です。


画像:同盟軍の下級兵士&少年

森山「11話は同盟軍の無謀な帝国領への進攻を描いた話数です。この話数の本筋に織り交ぜる形で、民主主義を広めようと希望をもって帝国領侵攻に参加した若い同盟兵にスポットを当てた一連のシーンをコンテ時に作りました。ここではあえて銀河の英雄たる将官らではなく、〝地べたに一番近い下級兵にカメラを向けて生々しい現場での挫折を描写することで、戦場の非情さを浮かび上がらせられるのではないか。″と考え、一連のシーンを作り、その流れの到達点として、『若い同盟兵が路地裏で帝国の幼子に銃を突きつけられる場面』を作りました。ここで〝戦場の現実″を描いておくことで、この後の話数で描かれる“戦争”というものの観え方が一味変わってくるのではないかと言うのが僕の考えでして、この話数で何としても作っておきたかったシーンです」

続いて、演出助手の小笠原さんのお仕事について、話題は移っていきました。
ノイエ銀英伝では登場人物や原作情報の洗い出しなど、あらゆる情報を管理する“データバンク”として監督の補佐を行なっているそうです。
また、前回の第二章のドイツ語監修のスタッフトークでも紹介された、フェザーンの証券取引所での株価ボード原案の作成を郡司Pに無茶振りしたのは小笠原さんです。

まずご紹介いただいたのは、ヒューベリオンの戦艦番号の設定についてです。艦側に並んでいる数字やアルファベットにも、一つひとつ意味が付けられており、それを考えるのも演出助手の仕事だそうです。


画像:設定・小物類 同盟の艦番号(ヒューベリオン13FB09-2144)

小笠原「戦艦の艦番号にも意味があり、ヒューベリオンの艦首側面に描かれた『13FB09-2144』は、13艦隊、FBは旗艦を表し、09はロット数を意味しています。名前のある戦艦にロット数をつけており、1~2話で出てくるアスターテ会戦に登場する艦はロット数が10なので、ヒューベリオンはそれよりも旧式だということを表すために09の番号を振っています。2144は個体番号です。」

次に、小笠原さんが演出助手という職務の意味合いや大切さを大いに感じた部分だという、オーベルシュタインの階級をコントロールした時のエピソードが披露されました。


画像:オーベルシュタインの階級

小笠原「オーベルシュタインの階級は、ヤンにイゼルローン要塞を陥とされた8話の時点では大佐でした。原作でこの場面の次に階級が明記されているのは、一番右側の画像にあるアムリッツァ星域会戦後に、中将に昇格するという情報のみだったんです。これはアムリッツァ星域会戦の功績で、キルヒアイスが中将から上級大将へ二階級上がっているという場面と同時でもありました。キルヒアイスを差し置いてオーベルシュタインを三階級あげることができないので、どこかのタイミングで階級を上げておく必要がありました。そのため、オーベルシュタインがラインハルトの参謀として配属になったタイミングで准将にあげ、キルヒアイスと同時に二階級上げるという調整をしました。

そのほかにも、森山さんや小笠原さんに様々な資料と共に制作秘話を披露していただいたところで、締めの挨拶の時間となりました。
森山「ノイエ銀英伝という作品が始まって以来、初めてこういった形でみなさんの前に立たせて頂いたのですが、僕のような若輩者よりも遥かに長い時間とエネルギーを『銀河英雄伝説』という作品に注いでこられた方々のお顔を、そしてその表情を間近に拝見することが出来、改めてここまでノイエ銀英伝という作品で助監督という役割を担わさせて頂けた事を「つくづく有難いな」と感じる事が出来ました。本日はこの様な機会を作って頂き、本当にありがとうございました」
小笠原「本日はお越しいただいて、誠にありがとうございます。作ったフィルムは表に出ますが、我々のように作る側の人間がお客様に直接お会いすることは珍しいので、本当に貴重な体験だと思います。こうやって楽しんでいただけている姿を見て、あらためて今後ももっともっと頑張って行きたいなと思いました。本日はありがとうございました」
大きな拍手に包まれて、この日のスタッフトークは終了しました。


登壇者:森山悠二郎さん(助監督)、小笠原一馬さん(演出助手兼演出)

2022/11/24

『銀河英雄伝説Die Neue These 策謀』第二章の上映公開開始から2週間が経った11月13日(日)に、新宿ピカデリーで、ヤン・ウェンリー役の鈴村健一さんと、ヨブ・トリューニヒト役の安斉一博さんによる舞台挨拶が2回開催されました。
ここでは、本編上映後に実施された1回目の舞台挨拶の模様をレポートします。

↓以下、本編のネタバレを含みます。










大きな拍手の中、鈴村さんと安斉さんが登場。MCからの紹介を受けて挨拶をした後、『策謀』第二章のネタバレも有りのトークパートが始まりました。


第二章の感想について質問された鈴村さんは、「いろんなことが動き出す布石をひたすら観ている感じで、どうなっていくのかすごく気になる。ここだけ観てこの先を『もう観ない』って人はいないのでは?」と、ますます続きが気になる物語であることを強調。『銀河英雄伝説Die Neue These』のイベントへの出演は初めてで、登壇前は非常に緊張していたという安斉さんは、「各陣営ごとに会議や密談をしているシーンが多くて、それぞれが今後について画策している。まさに『策謀』というタイトルがぴったりくるのが、この第二章だと思います」と、第二章ならではの魅力を語りました。

 

各陣営ごとのさまざまな思惑とともに、第二章の大きな見どころになっているのが、ユリアンの旅立ち。第一子が誕生し父親となった鈴村さんは、「息子」同然の存在であるユリアンを見送るヤンの姿に、自身を重ね合わせることもあったそうです。

 

 

鈴村「うちの子はまだ旅立たないとは思うんですけど(笑)。(父親は)いざって時には、意外と何も言えないんだなって。(ユリアンを見送る)ヤンが最後に言ったのって『風邪をひくなよ』ですからね。あれだけ饒舌な男がそれしか言えないのって、分かる気がします。僕もお喋りですが、そのときにはきっと何も言えないんだろうなと思ったりしました。でも、あの『風邪をひくなよ』の中には、たくさんの思いがこもってるんです」

 

 

一方、巧みな演説などで聴衆を味方につけて、自由惑星同盟の国家元首となったトリューニヒトを演じる安斉さん。作中でも何度も描かれてきた演説シーンのこだわりについて尋ねられると、ファーストシーズン(『邂逅』)のアフレコで三間雅文音響監督から受けたディレクションについて語ってくれました。

安斉「テストでやったときに『それじゃあ軍人だよ』と言われたんです。もしかしたら、上から目線で、縦社会の軍隊での命令のように感じられたのかもしれません。それからは、観ている方々と同じ目線で、トリューニヒトらしく『私は国民の皆さまのことを考えていますよ』という風に見えるよう心がけて演説しています」

さらに第二章の演説シーンに関する話題では、鈴村さんも交えて盛り上がりました。

鈴村「『トリューニヒトが演説します』って聞いたら、ヤンは『嫌だ、観たくねー』って(笑)」
安斉「(ヤンは)スクリーンに顔が映った瞬間、嫌な顔をしてましたね。そんなに嫌がらなくても(笑)」
鈴村「ヤンは『どうせろくな話をしないだろう』って思ってますから」

安斉「でも、トリューニヒトにしたら、自分のために一生懸命やってることですから。これからも、ヤンに嫌がられても演説していこうかなと思います(笑)」


場面写真:スクリーンに映ったトリューニヒトを見て嫌な顔をするヤン

鈴村さんいわく、ヤンにとっては「一番敵対している相手。ラインハルトみたいにリスペクトもしてない」という異色の組み合わせとなった舞台挨拶のトークパートは大盛り上がりのまま終了。メディア向けのフォトセッションでは、二人で握手をする場面もありました。第24話でトリューニヒトとの握手を強要させられたヤンは、嫌悪感を露わにし、すぐに手を洗っていましたが、鈴村さんと安斉さんは、もちろん終始、笑顔です。

続いて、11月25日(金)から上映がスタートする『銀河英雄伝説Die Neue These 策謀』第三章の舞台挨拶に関する情報などの告知を紹介。最後に、鈴村さんと安斉さんから来場者への感謝を伝える言葉が語られて、『銀河英雄伝説Die Neue These 策謀』第二章の舞台挨拶は終了しました。

2022/11/22

11月15日(火)に東京の新宿ピカデリーにて、『銀河英雄伝説 Die Neue These 策謀』第二章のスタッフトーク付き上映会を開催いたしました。
ドイツ語監修を担当されているマライ・メントラインさんが登壇した、スタッフトークのレポートをご紹介します。

郡司Pに呼び込まれ、マライさんが登壇し挨拶を終えると、ノイエ銀英伝の“ドイツ語監修”をテーマにトークが繰り広げられました。

↓以下、本編のネタバレを含みます。










銀河帝国の公用語には、ドイツ語が採用されています。マライさんは、磯部アニメーションプロデューサーがドイツ語監修の適任者がいないか探していた時期に、ノイエ銀英伝のメカ設定をまとめてくださっている編集者の吉祥寺怪人さんの紹介で携わっていくことになったそうです。

マライ「お話をいただいた時は、銀英伝はもちろんI.G作品のファンだったこともあって嬉しかったです。そもそも銀河帝国がドイツ的な文化となったのは初代皇帝ルドルフが脳内で考えていた“かっこいいドイツ文化”を適用していったわけで、本当のドイツではないのです。いわば“脳内ドイツ”なわけです。このため、監修の際には、一般的にドイツっぽいとイメージされるようなウムラウトやエスツェットをつけたり、長めの単語を選んだりして、『らしさ』を強調しています」
郡司P「銀英伝ではドイツの人から見ると、かなり古い人名が使われていると、大学生の時に友人に聞いたことがあります。実際どうなんでしょうか」
マライ「確かに貴族がいた古い時代の名前が使用されています。今のドイツの名前の流行は二文字とか短めになっています。逆に銀英伝では長めの方がカッコいいんじゃないかという厨二病的な『脳内ドイツ』が再現されているんだと思います。監修する時にも、『脳内ドイツ』には気をつけている部分です」

マライさんの初めてのお仕事は、ダイニングカフェ・イゼルローンフォートレスのドイツ語監修です。


【画像】オリジナルコインのメール文/デザイン案

マライ「お店に行くと、来場者プレゼントとしてオリジナルコインが貰えます。帝国コインに記載の「銀河帝国」をドイツ語で表現する際に「GALAKTISCHES KAISERREICH」「GALAKTISCHES REICH」の2択で悩みました。最終的には原作でも「帝国」に「ライヒ」とルビが振られている描写もあり固有の表現で収まりもいいため、「GALAKTISCHES REICH」とすることを郡司Pと相談して決定しました」


【画像】スタンプカード

マライ「スタンプカードも一度日本語をドイツ語に変えた文章を頂戴して、細かな部分を修正していきました。全体のデザインも見て、バランスを考えて手を加えています」

続いて、話題は捕虜交換の際のキルヒアイスの署名について移っていきました。実はキルヒアイスの署名は、マライさんの手書きだそうです。

マライ「私ではない他の人のサインですし、男性と女性の文字は日本語同様に雰囲気が異なるので苦労しました。筆記体はドイツ人なら誰でも書けますが、ノイエ銀英伝の世界では現代よりも、プロイセン時代の文字を使用しているイメージを持っていました。それを再現するために、当時の色々なサインをネットや図書館のアーカイブで調べました」


【画像】

マライ「Sという文字1つとっても、様々な種類があるんです。お気に入りの文字が見つかるまで、練習を兼ねて色々な筆記体を書き出したので、リビングが紙の海になっちゃいましたね(笑)」


【画像】(プロイセン時代のサインを模した)マライさんのサインの練習画像

そして、マライさんがお気に入りだという30話のフェザーンの証券取引所での株価ボードが紹介されました。
郡司P「ある日、30話の演出の小笠原さんから、『郡司さんって金融出身で株について詳しいですよね』と無茶振りで株価ボードの作成を頼まれたんです。映像を実制作したのはモーショングラフィックの青木さんですが、株価ボードに表示される文字や数字のロジックを考えないといけなくなりました。」
マライ「劇中画面にリアルに表示をさせたいのとこで、郡司Pが具体的にDAX(=Deutsche Aktien Indexの略でドイツの株価指数のこと)や実際の昔のドイツの株価モニター画面などを調べられていました。これをノイエ銀英伝では、一体どういう風に表現していくべきなのか、株価指数のドイツ語での綴りはどうするか、一緒に精査していきました」


【画像】郡司P作成&マライさん監修の株価の画面

郡司P「そして実際の画面がこちらです」


【画像】採用されたフェザーンの証券取引所の様子(赤枠が入っている部分)

マライ「株価ボードがどこにあるか探してみてください。」
郡司P「あれだけ監修にお時間使っていただいたのに、画面見たらかなり小さかったです…」
マライ「でも、こういう細かいところにこだわるIGがすごく良いと思います」
郡司「30話の本編中で大きく映し出されている株価ボードはハイネセン株式市場のもので英語で表現されています。中立地帯なので、同盟・帝国双方の株が取引き可能だろうというロジックにしてあります。」

そのほかにも、マライさんには三越コラボの「シェーンコップからの招待状」の翻訳と筆記や「双璧からの紹介状」の翻訳、玉虫塗りワイングラスのフット部分にあるラインハルトとキルヒアイスのイニシャルの飾り文字なども担当していただいています。様々な部分でドイツ語らしさを存分に表現されていることがわかったところで、締めの挨拶のお時間となりました。締めの言葉を求められたマライさんが「ファイエル!」と一言発すると、この日一番の拍手が会場から巻き起こり、スタッフトークは終了しました。


登壇者:マライ・メントラインさん(ドイツ語監修)

2022/11/15

11月8日(火)に東京の新宿ピカデリーにて、『銀河英雄伝説 Die Neue These 策謀』第二章のスタッフトーク付き上映会を開催いたしました。
設定協力を担当されている白土晴一さんが登壇した、スタッフトークのレポートをご紹介します。

郡司Pに呼び込まれ、白土さんが登壇し挨拶を終えると、帝国軍と同盟軍の軍服に特化して“衣装考証”をテーマにトークが繰り広げられました。

↓以下、本編のネタバレを含みます。










設定考証とは、白土さん曰く、マンガやアニメなどの「“架空世界における、もっともらしい設定”を作る手助けをする」仕事。作品ごとに違う作業を行なっているそうですが、ノイエ銀英伝は原作小説の世界観を壊さないようなアドバイスを行っているとのことです。

まず、帝国軍の元帥/上級大将の軍服について話がスタートしました。
白土「帝国軍はドイツの軍服を参考に作られています。今回はナポレオン時代のダブルブレスト型(前身ごろにボタンが二列ついているタイプ)の方向性でラフが上がってきていいました。架空世界の軍服なので、これまでの軍服の歴史と揃える必要はないのですが、多田監督からの希望もあり、ユニフォーモロジー(軍服の文法や作法のようなもの)に沿ってデザインの細かい部分を調整していきました」


【画像】ラフ:帝国軍 元帥/上級大将

白土「ラフにある、腰の拳銃帯(拳銃や弾納を収納するもの)やサッシュ(身体に着用する帯状のもの)は、戦場で武器等の装具を吊るすためにデザインされたものなんです。ノイエ銀英伝でラインハルトが銃撃戦を行うシーンはないので、無くした方がストレートに決まってカッコいいのではないかと提案しました。ノイエ銀英伝は架空の軍服ですが、帝国軍は19世紀的・古典的な軍服の美しさが出るように衣装考証として歴史的事例をお伝えしていきました」


【画像】決定稿:帝国軍 元帥/上級大将

白土「元帥の肩の飾りに元帥杖のデザインが追加されて、上級大将と比較して華やかになっています。基本的に軍服は階級が上がれば上がるほど、刺繍が多くなってくるんです。ただ、あまり細か過ぎると動かすことが難しくなります。アニメーションとして実現できつつ、ディテールの豪華さを失わずに表現できるかを考えた結果、決定稿のようなデザインに落ち着きました」
続いて、帝国軍の軍礼服に話題は移っていきました。


【画像】ラフ:帝国軍 軍礼服

白土「多田監督に、ジャケットの袖を片腕だけ通して、もう一方は腕を通さないヨーロッパの軽騎兵のファッションについて話をしました。多田監督がそれを取り入れたいとおっしゃってくださったこともあり、肋骨服(胴体全面に横向きに飾紐が複数本ついた、あばら骨のような軍服)を使用してそのスタイルを再現すれば、礼装として様になると思いました」


【画像】決定稿:帝国軍 軍礼服

白土「最終的にモダンな形を残しつつ、マントのようなデザインは残しました」
郡司P「このコートドレスを着用したラインハルトが歩いてくるシーンがめちゃくちゃカッコよくて、私大好きなんですよ」

そして、話題は同盟軍の軍礼服に移っていきました。


【画像】ラフ:同盟軍 軍礼服                      【画像】決定稿:同盟軍 軍礼服

白土「情報量の多さが、帝国軍と同盟軍では大きな差ですよね。同盟軍は、イギリスやアメリカの現代のスーツスタイルのような開襟デザインになっています。帽子はベレー帽がいいのではないかという話が、実は初期からありました。帝国軍は帽子を被っていないので、二つの軍の違いを際立たせるためにも、そのまま残されました」

郡司P「大将の衣装も、貴族社会じゃない分どちらかというと装飾が少ないですね」
白土「装飾がゴテゴテしていないと市民社会を表しやすく、ラインが上から下までストンと下がるシルエットだと近代感が出せます。帝国軍はウエストがキュッとなった洋梨型のシルエットにして、昔の軍服だということを強調しています」

以上のように、さまざまな衣装について拘りをお伺いしたところで、最後の挨拶になりました。
白土「ノイエ銀英伝が長く続くコンテンツになりましたが、終わりまでも長いと思います。皆さんに最後までお付き合い願えれば、スタッフ一同頑張りたいと思いますので、よろしくお願いいたします」
それを受けて会場は大きな拍手に包まれ、この日のスタッフトークは終了しました。


登壇者:白土晴一さん(設定協力)

2022/11/11

『銀河英雄伝説Die Neue These 策謀』第三章の上映を記念し、舞台挨拶付き上映を開催することが決定しました。
是非、この機会に劇場にご来場ください。

【詳細】
日時:11月25日(金) 18時30分の回(上映後に舞台挨拶を実施)
劇場: 新宿ピカデリー (東京) https://www.smt-cinema.com/site/shinjuku/
登壇者(敬称略):多田俊介監督、アニメーションプロデューサー磯部真彩

【チケット料金】
¥1,900均一
※ムビチケは使用可、各種ご招待券、SMTMembersクーポンはご利用いただけません

【販売】劇場HPにてインターネット先行販売
▼インターネット先行販売:11月19日(土)19:00~
▼劇場窓口販売:11月20日(日)劇場OPENより販売(残席がある場合のみ)

【感染症対策における注意事項】
館内では、上映中の飲食時を除き、マスクの着用をお願い致します。
マスクを外した状態での会話を防ぐため、上映前・イベント中の飲食はご遠慮下さい。
観覧の際の発声及び歓声、立ち上がってのご鑑賞などはご遠慮頂きますようお願い申し上げます。
ご来場の際は、マスクの着用や検温をはじめとする映画館の新型コロナウイルス感染症予防ガイドラインへのご協力をお願い致します。
コロナ感染症対策につきましては、劇場ホームページの注意事項を必ずご確認のうえ、ご参加ください。ご協力いただけない場合には、ご鑑賞をお断りさせていただく場合がございます。
https://www.smt-cinema.com/site/shinjuku/news/detail/029156.html

下記の症状、条件に該当する場合もご来場をお控えくださいますようお願い致します。
①発熱、咳、呼吸困難、全身倦怠感、咽頭痛、鼻汁、鼻閉、味覚・嗅覚障害、目の痛みや結膜の充血、頭痛、関節・筋肉痛、下痢、嘔気・嘔吐。
②2週間以内に感染が引き続き拡大している国・地域への訪問歴がある場合など体調のすぐれない方は早めに係員までお知らせください。
準備が出来次第、ご入場を開始致します。開演時間が近くなりますと入場口が混雑いたしますので、お時間に余裕をもってのご来場をお願い致します。
ご入場に関しては、係の者の指示に従い、前の方と距離を保ちご整列下さいますようお願い申し上げます。
当日までの情勢により、上記対応が変更になる可能性もございます。
状況により、止む無くイベントを中止させて頂く場合がございます。予めご了承下さい。

【注意事項】
※特別興行につき、招待券・株主券・SMT Membersクーポン・割引券などはご使用いただけません。
※オンライン販売でご購入の場合は、クレジット決済またはキャリア決済のみのお支払いとなります(現金ではご購入いただけません)。
※チケットの購入制限枚数はおひとり様につき4枚までとなります。
※先着販売となりますため、規定枚数に達し次第販売を終了させて頂きます。
※お電話でのご予約は承っておりません。
※転売・転用目的の購入は固くお断り致します。
※登壇者は予告なく変更となる場合がございます。予めご了承ください。
※いかなる事情が生じましても、ご購入後の座席変更、キャンセル、払い戻しは承っておりません。
※全席指定席・定員入替制となります。ご鑑賞いただくには、当該上映回の座席指定券が必要です。
※場内でのカメラ(携帯カメラを含む)、ビデオによる撮影・録音等は固くお断りいたします。
※途中入場はお断りさせていただきますので、ご了承ください。
※会場内ではマスコミ各社の取材による撮影、記録撮影が行われ、テレビ・雑誌・ホームページ等にて放映・掲載される場合がございます。また、イベントの模様が後日販売されるDVD商品等に収録される場合があります。あらかじめご了承ください。お客様のこの催事における個人情報(肖像権)は、このイベントに入場されたことにより、上記に使用されるということにご同意頂けたものとさせて頂きます。
※購入方法詳細につきましては、劇場ホームページをご確認ください。

2022/11/11

『銀河英雄伝説Die Neue These 策謀』第三章の上映を記念し、スタッフトーク付き上映を開催することが決定しました。
第一弾は「助監督」をテーマに助監督の森山悠二郎さん、演出・演出助手の小笠原一馬さん、
第二弾は「モーショングラフィック※」をテーマにモーショングラフィックの青木隆さん、CGIプロデューサーの田中宏侍さん、
第三弾は「原作」をテーマに原作者の田中芳樹先生と監修の安達裕章さんが登壇!
是非、この機会に劇場にご来場ください。

※『銀河英雄伝説 Die Neue These』では戦況図やモニターのCGデザインがモーショングラフィックで制作されています。

【詳細】
①「助監督」
日時 :11月29日(火)18時30分の回(上映後にスタッフトークを実施)
劇場 : 新宿ピカデリー (東京) https://www.smt-cinema.com/site/shinjuku/
登壇者(敬称略):森山悠二郎〈助監督〉、小笠原一馬〈演出・演出助手〉

②「モーショングラフィック」
日時 :12月6日(火)18時30分の回(上映後にスタッフトークを実施)
劇場 : 新宿ピカデリー (東京) https://www.smt-cinema.com/site/shinjuku/
登壇者(敬称略):青木隆〈モーショングラフィック〉、田中宏侍〈CGIプロデューサー〉

③「原作」
日時 :12月13日(火)18時30分の回(上映後にスタッフトークを実施)
劇場 : 新宿ピカデリー (東京) https://www.smt-cinema.com/site/shinjuku/
登壇者(敬称略):田中芳樹〈原作〉、安達裕章〈監修〉

【チケット料金】
¥1,900均一
※ムビチケは使用可、各種ご招待券、SMTMembersクーポンはご利用いただけません

【販売】劇場HPにてインターネット先行販売
①11月29日(火)実施(テーマ「助監督」)の回
▼インターネット先行販売:11月21日(月)19:00~
▼劇場窓口販売:11月22日(火)劇場OPENより販売(残席がある場合のみ)

②12月6日(火)実施(テーマ「モーショングラフィック」)の回
▼インターネット先行販売:11月28日(月)19:00~
▼劇場窓口販売:11月29日(火)劇場OPENより販売(残席がある場合のみ)

③12月13日(火)実施(テーマ「原作」)の回
▼インターネット先行販売:12月5日(月)19:00~
▼劇場窓口販売:12月6日(火)劇場OPENより販売(残席がある場合のみ)

【感染症対策における注意事項】
館内では、上映中の飲食時を除き、マスクの着用をお願い致します。
マスクを外した状態での会話を防ぐため、上映前・イベント中の飲食はご遠慮下さい。
観覧の際の発声及び歓声、立ち上がってのご鑑賞などはご遠慮頂きますようお願い申し上げます。
ご来場の際は、マスクの着用や検温をはじめとする映画館の新型コロナウイルス感染症予防ガイドラインへのご協力をお願い致します。
コロナ感染症対策につきましては、劇場ホームページの注意事項を必ずご確認のうえ、ご参加ください。ご協力いただけない場合には、ご鑑賞をお断りさせていただく場合がございます。
https://www.smt-cinema.com/site/shinjuku/news/detail/029156.html

下記の症状、条件に該当する場合もご来場をお控えくださいますようお願い致します。
①発熱、咳、呼吸困難、全身倦怠感、咽頭痛、鼻汁、鼻閉、味覚・嗅覚障害、目の痛みや結膜の充血、頭痛、関節・筋肉痛、下痢、嘔気・嘔吐。
②2週間以内に感染が引き続き拡大している国・地域への訪問歴がある場合など体調のすぐれない方は早めに係員までお知らせください。
準備が出来次第、ご入場を開始致します。開演時間が近くなりますと入場口が混雑いたしますので、お時間に余裕をもってのご来場をお願い致します。
ご入場に関しては、係の者の指示に従い、前の方と距離を保ちご整列下さいますようお願い申し上げます。
当日までの情勢により、上記対応が変更になる可能性もございます。
状況により、止む無くイベントを中止させて頂く場合がございます。予めご了承下さい。

【注意事項】
※特別興行につき、招待券・株主券・SMT Membersクーポン・割引券などはご使用いただけません。
※オンライン販売でご購入の場合は、クレジット決済またはキャリア決済のみのお支払いとなります(現金ではご購入いただけません)。
※チケットの購入制限枚数はおひとり様につき4枚までとなります。
※先着販売となりますため、規定枚数に達し次第販売を終了させて頂きます。
※お電話でのご予約は承っておりません。
※転売・転用目的の購入は固くお断り致します。
※登壇者は予告なく変更となる場合がございます。予めご了承ください。
※いかなる事情が生じましても、ご購入後の座席変更、キャンセル、払い戻しは承っておりません。
※全席指定席・定員入替制となります。ご鑑賞いただくには、当該上映回の座席指定券が必要です。
※場内でのカメラ(携帯カメラを含む)、ビデオによる撮影・録音等は固くお断りいたします。
※途中入場はお断りさせていただきますので、ご了承ください。
※会場内ではマスコミ各社の取材による撮影、記録撮影が行われ、テレビ・雑誌・ホームページ等にて放映・掲載される場合がございます。また、イベントの模様が後日販売されるDVD商品等に収録される場合があります。あらかじめご了承ください。お客様のこの催事における個人情報(肖像権)は、このイベントに入場されたことにより、上記に使用されるということにご同意頂けたものとさせて頂きます。
※購入方法詳細につきましては、劇場ホームページをご確認ください。

2022/11/11

この度、12/11(日)に新宿ピカデリー(東京)にて、舞台挨拶付き第三章上映会の実施が決定しました!
ラインハルト役 宮野真守さん、多田俊介監督が登壇し、「策謀」の最終章にあたる第三章に関するトークを繰り広げます!
皆様のご参加お待ちしております!

【詳細】
日時:12月11日(日)
①11:40の回(上映後に舞台挨拶を実施)
②14:45の回(上映前に舞台挨拶を実施)
場所:新宿ピカデリー
登壇者(敬称略):宮野真守(ラインハルト役)、多田俊介(監督)
料金(税込):全席指定:2,500円 ※別途手数料あり
座席指定チケット販売方法&発売日:ローソンでの販売となります。

≪販売方法詳細≫
【メンバーズクラブ-新 獅子の泉‐先行(抽選)】
※事前に「メンバーズクラブ-新 獅子の泉‐」会員登録が必要となります。
メンバーズクラブ-新 獅子の泉‐:https://ch.nicovideo.jp/noielb
・エントリー期間:11月11日(金) 18:00~11月15日(火)23:59
・当落発表:11月19日(土)15:00
・引取期間:12月1日(木)15:00~公演日まで
・受付方法:WEB/モバイルにて ≪URL:https://l-tike.com/st1/noielb1211≫ (PC/モバイル/スマホ)
※上記URLをクリックするとニコニコアカウントのログイン画面に遷移します。
※「メンバーズクラブ-新 獅子の泉‐」に登録しているID / パスワード以外では申込できませんのでご注意ください。
・決済方法:クレジット決済・キャリア決済(別途キャリア決済手数料が発生します。)
・引取方法:店頭引取(全国のローソン・ミニストップ)
・申込枚数制限:お1人様2枚まで

【プレリクエスト先行(抽選)】※事前にローソンチケット無料会員登録が必要となります。
・エントリー期間:11月19日(土) 18:00~11月28日(月)23:59
・当落発表:12月1日(木)15:00
・引取期間:12月1日(木)15:00~公演日まで
・Lコード:35116
・受付方法:WEB/モバイルにて ≪URL:https://l-tike.com/noielb1211/≫ (PC/モバイル/スマホ)
・決済方法:クレジット決済・キャリア決済(別途キャリア決済手数料が発生します。)
・引取方法:店頭引取(全国のローソン・ミニストップ)
・申込枚数制限:お1人様2枚まで

【一般発売(先着)】
・受付期間:12月2日(金)12:00~
※新 獅子の泉先行、プレリクエスト先行での抽選販売で完売した場合、一般販売はございません。
・受付方法:
WEB予約 ≪URL:https://l-tike.com/noielb1211/≫(PC/モバイル/スマホ)
Lコード:35116
・決済方法:
WEB予約→クレジット決済・キャリア決済のみ
・枚数制限:2枚まで

【感染症対策における注意事項】
館内では、上映中の飲食時を除き、マスクの着用をお願い致します。
マスクを外した状態での会話を防ぐため、上映前・イベント中の飲食はご遠慮下さい。
観覧の際の発声及び歓声、立ち上がってのご鑑賞などはご遠慮頂きますようお願い申し上げます。
ご来場の際は、マスクの着用や検温をはじめとする映画館の新型コロナウイルス感染症予防ガイドラインへのご協力をお願い致します。
コロナ感染症対策につきましては、劇場ホームページの注意事項を必ずご確認のうえ、ご参加ください。ご協力いただけない場合には、ご鑑賞をお断りさせていただく場合がございます。
https://www.smt-cinema.com/site/shinjuku/news/detail/029156.html

下記の症状、条件に該当する場合もご来場をお控えくださいますようお願い致します。
①発熱、咳、呼吸困難、全身倦怠感、咽頭痛、鼻汁、鼻閉、味覚・嗅覚障害、目の痛みや結膜の充血、頭痛、関節・筋肉痛、下痢、嘔気・嘔吐。
②2週間以内に感染が引き続き拡大している国・地域への訪問歴がある場合など体調のすぐれない方は早めに係員までお知らせください。
準備が出来次第、ご入場を開始致します。開演時間が近くなりますと入場口が混雑いたしますので、お時間に余裕をもってのご来場をお願い致します。
ご入場に関しては、係の者の指示に従い、前の方と距離を保ちご整列下さいますようお願い申し上げます。
当日までの情勢により、上記対応が変更になる可能性もございます。
状況により、止む無くイベントを中止させて頂く場合がございます。予めご了承下さい。

≪注意事項≫
・いかなる場合においても、途中入退場はお断りさせて頂きますので、予めご了承ください。
・転売目的でのご購入は、固くお断り致します。また、転売で入手したチケットであることが発覚した場合には、ご入場をお断りさせていただく場合がございます。
・登壇者および舞台挨拶の予定は、都合により予告なく急遽変更になる場合がございます。
・チケット券面に購入者氏名が印字される場合がございます。ご入場時、本人確認のため、チケット券面記載の「当選者様氏名(申込み登録された氏名)」と「身分証明書」をランダムで確認させて頂く場合がございます。当日は身分証のご持参をお願いします。
・前売券・ムビチケカードからのお引換はいたしかねますのでご注意ください。
・特別興行の為、各種割引(シニア・学生・小人等)・各種招待券は、ご使用いただけません。
・お席はお選びいただけません。
・ご購入の際は各種手数料がかかります。詳しくは、ご購入の際にご確認ください。
・場内でのカメラ(携帯電話含む)・ビデオによる撮影、録音等は固くお断りいたします。当日は荷物検査を行わせていただく場合がございます。
・緊急事態等に伴う主催者側判断による中止の場合を除き、ご購入者様によるいかなる事情が生じましても、ご購入・お引換後のチケットの変更や払い戻しはできません。
・全席指定となります。チケットをお持ちでない方はご覧になれません。
・会場内ではマスコミ各社の取材による撮影、弊社記録撮影が行われ、テレビ・雑誌・ホームページ等にて、放映・掲載される場合がございます。
・イベントの模様が後日販売されるDVD商品等に収録される場合がございます。
・お客様の当催事における個人情報(肖像権)については、このイベントにご入場されたことにより、上記の使用にご同意いただけたものとさせていただきます。
・劇場周辺での出待ち・入待ちにつきましては、感染症拡大予防の観点および近隣のご迷惑となりますので、固くお断りいたします。
・お荷物のお預かりはできません。

≪チケット販売に関するお問合せ≫
ローソンチケットインフォメーション https://l-tike.com/contact/

2022/11/08

11月1日(火)に東京の新宿ピカデリーにて、『銀河英雄伝説 Die Neue These 策謀』第二章のスタッフトーク付き上映会を開催いたしました。
脚本家としてご活躍されている谷村大四郎さんが登壇した、スタッフトークのレポートをご紹介します。

郡司Pに呼び込まれ、谷村さんが登壇し挨拶を終えると、“脚本”をテーマにトークが繰り広げられました。

↓以下、本編のネタバレを含みます。










公式Twitterの告知でイベント前に示唆されていた「◯○の銀英伝」とは、「おとなの銀英伝」のこと。脚本の会議のときに、ふと誰かが41話をこう呼んだことから、スタッフ間の中で浸透した呼び方だそうです。

41話のラストシーンは、多田監督から絵コンテに「堪能しました!ごちそうさまです」とコメントが入れられるほど、“大人”な仕上がりになっています。
谷村「ドミニクの『今夜は泊まっていくんでしょう?ルパート…』と言う台詞は、実は原作小説だとこのシーンの冒頭にあるんです。脚本にする際に、この台詞は最後に持ってきた方が艶っぽさが増して、41話の締めとしておしゃれに見えるのではないかと思ったので変更しました」


【画像】ルパート&ドミニク、絵コンテ

郡司P「実は、谷村さんはルパートに思い入れがあるんですよね」
谷村「僕は、ルパートが初登場する話数を担当させてもらっているのですが、多田監督に会議で『僕の中でのルパートはメガネなんです!』と訴えて、メガネ姿にしていただきました(笑)ちなみに、30話のラストシーンでの筋トレを提案したのも僕です。ルパートを、ルビンスキーとドミニクと並べた時に張り合える人物だと表現するためには、賢さ以外に筋肉も必要な要素だと思ったんです。父親を越えようと一生懸命な姿が可愛らしいんですよ、ルパートは」

続いて、銀河帝国軍側での“大人”の会話シーンに話題は移りました。
皇帝が誘拐されたのち、警備責任者のモルト中将への果断な処分や、払暁に諸将を集めての会議、首席秘書官としてラインハルトと会話するヒルダ、などはラインハルトの意志にて誘拐が黙認されていることから“ある意味儀式的”なニュアンスを谷村さんは持たせることを意識して描いたとのことです。


【画像】モルト中将、ラインハルト&ヒルダ

谷村「このシーンのヒルダは、ラインハルトが幼帝誘拐の糸を引いていることを薄々わかっている上で訪問しています。誰も本音を言わず、腹に一物を抱えた大人の会話が続く中で、最後にラインハルトが本音をポロッと漏らして終わらせる構成がいいんじゃないか考えました」

郡司P「ちなみに、激突と策謀では『王道と覇道』をテーマに構成を行ってもらいました。王道を示してくれていた赤毛の友、が亡くなったことで、覇道を進まざるを得なくなったラインハルトを描くことが重要なんじゃないかなと。個人的には、覇道を生きるラインハルトの影のある孤独な姿がカッコよくで私は好きです」
谷村「キルヒアイスの遺言がある種の呪いとなっていて。それを叶えるために、手に入れた翼で1人で高く高く飛んで行ってしまう。でも本当に一緒に飛びたい人は、もっともっと高いところにいるからこその孤独なんですよね」

更に、第43話「宣戦布告」で、ラインハルトから宣戦布告を受けた後の自由惑星同盟の混乱を描いたシーンについて、話題は移っていきました。
郡司P「同盟の政治的混乱は、ぜひ描いてほしいと考えて脚本の構成会議で入れてほしいと主張しました」
谷村「実は自分自身の中で、銀英伝に携わる中で“民主主義”を1つの裏テーマとして考えていました。ここは原作で該当箇所の記載が少なかったのですが、様々な一般市民たちの意見を具体的に見せていこうと決まった時に、そのテーマをガッツリ表現できると思ってウキウキで脚本を膨らませていきましたね」


【画像】市民、討論番組

谷村「討論番組で男性アナウンサーが『帝国の独裁者が総攻撃を即断する一方で、吾が国の世論は今も麻のごとく乱れ、
それらを擦り合わせる時間はありません』という台詞は、帝国と同盟の違いを短くまとめることができ、自分でもよくできたなと自画自賛しています」


【画像】谷村さんが好きなキャラクター

谷村「僕も初めて銀英伝を読んだ学生の時から好きなキャラクターがいて、有難いことに彼らが登場する話数や、見せ場のある話数を担当させてもらっています。SNSでシリーズ構成の高木さんに見えるように『銀英伝またやるんだ!フォーク准将ラブ♡』と書き込んでみたり、多田監督や郡司Pにお会いした時にさりげなくアピールしてみたり(笑)涙ぐましい営業を行った結果、関わらせていただくことができました」

郡司P「癖が強いキャラクターがお好きのようですが、ラインハルトやヤンに対してはどういう印象を持たれているんですか」
谷村「対比の美学ですね。ラインハルトはずっと高みを目指さざるを得ないが、ヤンはずっと困っていて頭をポリポリ掻いている。正反対だけれど、2人ともかっこいいです。ヤンも物事が見えすぎるが故に、ラインハルトと同じように孤独を抱えているので、ある意味で2人は似た物同士ではありますよね」

 このように、脚本家ならではの目線からトークが展開されたところで、締めの挨拶のお時間になりました。
谷村「各話脚本の1人であるというだけの僕が、郡司さんと一対一で話をする貴重な機会をいただきましたけれど、楽しんでいただいていれば幸いです。そして、第二章と第三章も続いてご覧いただければと思います。本日はどうもありがとうございました」
 大きな拍手に包まれ、この日のスタッフトークは終了しました。

登壇者:谷村大四郎さん(41話、43話脚本)

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