銀河英雄伝説 Die Neue These
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2022/06/03
「銀河英雄伝説 Die Neue These 激突」第三章 5/26スタッフトークレポート

 

 

5月26日(木)に東京の新宿ピカデリーにて、『銀河英雄伝説 Die Neue These 激突』第三章のスタッフトーク付き上映会第二弾を開催いたしました。田中宏侍さん〈CGIプロデューサー〉、荒幡和也さん〈ルックデヴ/VFX/3Dコンポジットリード〉、高賀茂寛人さん〈ルックデベロップメントTD/リードアーティスト〉にご登壇いただいたスタッフトークのレポートをご紹介します。

MCに呼び込まれ、田中宏侍さん、荒幡和也さん、高賀茂寛人さんが登壇し挨拶を終えると、“CG”をテーマに制作秘話など詳しいトークが繰り広げられました。

————————————————————————- 以下、本作のネタバレを含みます ————————————————————————-
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最初のテーマはガイエスブルク要塞。実は第2期「星乱」まではガイエスブルク要塞をCGでは作っていなかったとのことで、高賀茂さんは「1期2期ではレイアウト用のラフなモデルはあったんですけど、3期には要塞戦もあるのでCG化しようという話になりました。ガイエスブルク要塞は元々ほとんど球体の要塞だったんですけど、そこから前面に主砲、後方に通常航行エンジンを追加しました。ガイエスブルク要塞の通常航行エンジンは、他の戦艦のエンジンと同じデザインになっており、新作というよりは既存のテクノロジーを使って巨大な物質を動かすという感じになっています。」田中さんはそれに対して「こういったメカニックの可動する部分は、設定画だと好きに描けるのですが、CGで構築しようとすると、可動部分が重なってしまったりなどうまくいかないこともあるんです。立体物を空間的に把握して破綻なく動くように考えて、都合のいい形を探ります。」と、CG制作の難しさを説明しました。


▲ガイエスブルク要塞

ガイエスブルク要塞全景 ガイエスブルク要塞全景
▲ガイエスブルク要塞全景 ▲ガイエスブルク要塞前面の主砲

次に、ナイトハルト・ミュラーの座乗艦「リューベック」のルック(見た目)について、話題は移っていきました。荒幡さんは「3DCGを作るにあたって下地にするのは、2Dと同じく色塗りの状態です。(下記画像①)これに金属の質感、グラデーションの素材、間接光(隙間から漏れ出る光)といった3D情報を乗せることで完成します。」と説明されました。

①リューベック:下地
リューベック

②リューベック:3D素材を乗せていく
リューベック

③リューベック:完成形
リューベック

また、「ノイエ銀英伝は2Dと3DCGのハイブリッドアニメになるので、作画のパートとCGの戦艦が交互に出てくる際に、親和性があってほしいんですよね」と荒幡さんが語ると、それに加えて田中さんが、「影と影ではない部分のメリハリが重要ですね。CGアニメだと光と影の部分の境目は明確ではなく、なだらかなグラデーションをつけたようになるのですが、2Dアニメだと光と影がパキッと分かれていて、けっこう差があるんです。そのため、CGで作る戦艦も光と影をはっきりと表現した方が、親和性が高くなって画が自然に見えます。」と完成度の高さを追求するが上での拘りを語られました。

ここからは、31話のワープシーンについて話が進んでいきます。荒幡さん「コンテ撮は最初の設計図です。そこに3Dで動きをつけていき、エフェクトを仮乗せします。そこまでの段階でOKが出ましたら、処理を入れて本撮、完成という流れです。」


▲ワープ:コンテ撮~本撮のプロセス

荒幡さん「ワープのCGについては、1期から基本私一人で行なっていています。31話にワープユニット(下記画像)と呼ばれるエネルギーの補助装置が出てくるのですが、本編では4カットくらいで壊れることになっておりまして、どうせなら高賀茂さんにCGできちんと壊して頂きたいと思い、私がモデリングから作業を行っています」

リューベック

リューベック

リューベック

それを受けて高賀茂さんが、「「いつのまにか荒幡さんがCGモデルを作っていたので、じゃあ壊そう!となりました」と話すと、思わず会場が笑い声に包まれました。「荒幡さんに作っていただいたモデルを、パーツごとに制御しなおして、壊せる仕組みを作っていきます。パーツによって壊れ方が異なって、太陽パネルみたいなところはセパレート状に壊れ、ワイヤーに引っ張られて壊れて行く部分も存在します
。」と説明されました。


▲ワープユニット:コンテ撮~本撮までのプロセス

最後に、田中さんは「長いシリーズとして続けてこられたのは、こうやって見て頂いた皆様のおかげだと思っています。普段表に出てくる機会はないので、このように挨拶できる機会を設けていただけて感謝しています。「ノイエ銀英伝」はまだ続きますので、引き続き観ていただければと思います」。荒幡さんは「本当に皆様のおかげだなと思っています。できるだけ長いこと「ノイエ銀英伝」に関わりたいと自分自身も思っていますので、引き続きよろしくお願いいたします。」高賀茂さんは「作っていて楽しいので、これが長く続けばいいなと思います。よろしくお願いいたします。」と挨拶し、本イベントは終了しました。

■イベント概要
日時:5月26日(木) 20:15〜21:00(18時30分の回上映終了後)
場所:新宿ピカデリー スクリーン3
登壇者(敬称略):田中宏侍、荒幡和也、高賀茂寛人


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