銀河英雄伝説 Die Neue These
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2022/11/08
11月1日(火)スタッフトークオフィシャルレポート

11月1日(火)に東京の新宿ピカデリーにて、『銀河英雄伝説 Die Neue These 策謀』第二章のスタッフトーク付き上映会を開催いたしました。
脚本家としてご活躍されている谷村大四郎さんが登壇した、スタッフトークのレポートをご紹介します。

郡司Pに呼び込まれ、谷村さんが登壇し挨拶を終えると、“脚本”をテーマにトークが繰り広げられました。

↓以下、本編のネタバレを含みます。










公式Twitterの告知でイベント前に示唆されていた「◯○の銀英伝」とは、「おとなの銀英伝」のこと。脚本の会議のときに、ふと誰かが41話をこう呼んだことから、スタッフ間の中で浸透した呼び方だそうです。

41話のラストシーンは、多田監督から絵コンテに「堪能しました!ごちそうさまです」とコメントが入れられるほど、“大人”な仕上がりになっています。
谷村「ドミニクの『今夜は泊まっていくんでしょう?ルパート…』と言う台詞は、実は原作小説だとこのシーンの冒頭にあるんです。脚本にする際に、この台詞は最後に持ってきた方が艶っぽさが増して、41話の締めとしておしゃれに見えるのではないかと思ったので変更しました」


【画像】ルパート&ドミニク、絵コンテ

郡司P「実は、谷村さんはルパートに思い入れがあるんですよね」
谷村「僕は、ルパートが初登場する話数を担当させてもらっているのですが、多田監督に会議で『僕の中でのルパートはメガネなんです!』と訴えて、メガネ姿にしていただきました(笑)ちなみに、30話のラストシーンでの筋トレを提案したのも僕です。ルパートを、ルビンスキーとドミニクと並べた時に張り合える人物だと表現するためには、賢さ以外に筋肉も必要な要素だと思ったんです。父親を越えようと一生懸命な姿が可愛らしいんですよ、ルパートは」

続いて、銀河帝国軍側での“大人”の会話シーンに話題は移りました。
皇帝が誘拐されたのち、警備責任者のモルト中将への果断な処分や、払暁に諸将を集めての会議、首席秘書官としてラインハルトと会話するヒルダ、などはラインハルトの意志にて誘拐が黙認されていることから“ある意味儀式的”なニュアンスを谷村さんは持たせることを意識して描いたとのことです。


【画像】モルト中将、ラインハルト&ヒルダ

谷村「このシーンのヒルダは、ラインハルトが幼帝誘拐の糸を引いていることを薄々わかっている上で訪問しています。誰も本音を言わず、腹に一物を抱えた大人の会話が続く中で、最後にラインハルトが本音をポロッと漏らして終わらせる構成がいいんじゃないか考えました」

郡司P「ちなみに、激突と策謀では『王道と覇道』をテーマに構成を行ってもらいました。王道を示してくれていた赤毛の友、が亡くなったことで、覇道を進まざるを得なくなったラインハルトを描くことが重要なんじゃないかなと。個人的には、覇道を生きるラインハルトの影のある孤独な姿がカッコよくで私は好きです」
谷村「キルヒアイスの遺言がある種の呪いとなっていて。それを叶えるために、手に入れた翼で1人で高く高く飛んで行ってしまう。でも本当に一緒に飛びたい人は、もっともっと高いところにいるからこその孤独なんですよね」

更に、第43話「宣戦布告」で、ラインハルトから宣戦布告を受けた後の自由惑星同盟の混乱を描いたシーンについて、話題は移っていきました。
郡司P「同盟の政治的混乱は、ぜひ描いてほしいと考えて脚本の構成会議で入れてほしいと主張しました」
谷村「実は自分自身の中で、銀英伝に携わる中で“民主主義”を1つの裏テーマとして考えていました。ここは原作で該当箇所の記載が少なかったのですが、様々な一般市民たちの意見を具体的に見せていこうと決まった時に、そのテーマをガッツリ表現できると思ってウキウキで脚本を膨らませていきましたね」


【画像】市民、討論番組

谷村「討論番組で男性アナウンサーが『帝国の独裁者が総攻撃を即断する一方で、吾が国の世論は今も麻のごとく乱れ、
それらを擦り合わせる時間はありません』という台詞は、帝国と同盟の違いを短くまとめることができ、自分でもよくできたなと自画自賛しています」


【画像】谷村さんが好きなキャラクター

谷村「僕も初めて銀英伝を読んだ学生の時から好きなキャラクターがいて、有難いことに彼らが登場する話数や、見せ場のある話数を担当させてもらっています。SNSでシリーズ構成の高木さんに見えるように『銀英伝またやるんだ!フォーク准将ラブ♡』と書き込んでみたり、多田監督や郡司Pにお会いした時にさりげなくアピールしてみたり(笑)涙ぐましい営業を行った結果、関わらせていただくことができました」

郡司P「癖が強いキャラクターがお好きのようですが、ラインハルトやヤンに対してはどういう印象を持たれているんですか」
谷村「対比の美学ですね。ラインハルトはずっと高みを目指さざるを得ないが、ヤンはずっと困っていて頭をポリポリ掻いている。正反対だけれど、2人ともかっこいいです。ヤンも物事が見えすぎるが故に、ラインハルトと同じように孤独を抱えているので、ある意味で2人は似た物同士ではありますよね」

 このように、脚本家ならではの目線からトークが展開されたところで、締めの挨拶のお時間になりました。
谷村「各話脚本の1人であるというだけの僕が、郡司さんと一対一で話をする貴重な機会をいただきましたけれど、楽しんでいただいていれば幸いです。そして、第二章と第三章も続いてご覧いただければと思います。本日はどうもありがとうございました」
 大きな拍手に包まれ、この日のスタッフトークは終了しました。

登壇者:谷村大四郎さん(41話、43話脚本)


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